かわいい見た目なのに凶暴なアライグマは深刻な被害をもたらします

アライグマというと、1970年代に放送されていたアニメ番組を思い浮かべる方も多いかと思います。その大変愛らしいみたい目とは裏腹にアライグマは凶暴な性格をしており大変危険です。そして家に棲み着いてしまうと深刻な被害をもたらしまします。そして特定外来生物であり鳥獣保護法の対象でもあるので駆除は法律に則って行う必要があります。
そんなアライグマの生態や被害状況を説明します。

農業被害だけではないアライグマの住宅被害

アライグマによる被害が全国で深刻になっているのをご存知でしょうか。アライグマは2005年〜2006年の調査では36都道府県に生息していましたが、2018年の調査では45都道府県にまで拡大しました。生息が確認されていないのは秋田、高知、沖縄の3県だけです。
アライグマの被害としては農作物の食害が広く知られています。アメリカでもアライグマによる農作物への被害はシカについて深刻な問題となっています。しかし、アライグマの被害は農作物だけではなく家屋に棲み着くことでの生活環境被害も深刻です。

アライグマは軒天井の換気扇、床下の通気口、換気扇などから侵入します。アライグマの好みは屋根裏です。屋根裏はアライグマにとって雨風の影響がなく天敵も入ってくることがなく、出産や子育てをするのにとても快適な環境だからです。また屋根裏や壁の間にある断熱材はアライグマの巣の材料にうってつけで、断熱材で作った巣に子どもを産むこともあります。

アライグマの生態

アライグマはアメリカ合衆国、カナダ南部、中央アメリカが原産の雑食性の哺乳類です。胴体は40cmから60cm、体重4kgから10kg、体の色は灰白色が多いですが黒色もいます。目と頬のまわりに黒いマスクのような模様があり、足、ひげ、耳の縁が白く、しっぽに黒いリング模様があります。前足、後足とも5本指で、前足の指が長く物を掴むことができます。足跡は5本指となり人の手に似ています。この指のためとても器用です。

顔はタヌキに似ています。在来種のタヌキ(イヌ科)やアナグマ(イタチ科)、外来種のハクビシン(ジャコウネコ科)などと顔の特徴が似ているため、見間違えられることがよくあります。車のヘッドライトに照らされると、アライグマの足は白っぽく、タヌキの足は黒っぽく見えます。
厚さにも寒さにも強く、人間が生活する場所でも出現します。アライグマが行動する範囲はだいたい直径1kmから3kmと言われています。

雑食性で何でも食べ、ヤマグワやサルナシやサクラなどの森林性の果実、トウモロコシ、メロン、スイカ、ミカン、モモ、ブドウ、イチゴ、ウリ、ナス、トマトなどの農作物や、小さな哺乳類、魚、鳥、両生類、爬虫類、虫などの生物も食べます。北海道では積雪期に農家が納屋などに備蓄している米や籾殻や麦や米ぬかまで食べるようになることが知られています。罠を仕掛けるときにスナック菓子やマヨネーズや揚げパンを使うなど人間の食べ物も食べます。

アライグマは夜行性ですが昼間に行動することもあります。基本的には昼間は木の穴や屋根裏、廃屋などにいることが多いです。
農地や公園、水場のあるところに出現し、木登りをして下記などの果実を取って食べてしまいます。穴を掘る修正があるために畑などを荒らすこともあります。そのときに柿やスイカやトウモロコシなどの作物があると食べてしまうのです。アライグマは指が5本あり大変器用に穴をほって侵入します。

繁殖力が強くすぐに増えます。1年に1回、春(4月から6月)に出産をします。1回に平均して3から5頭を生みます。日本にはアライグマの天敵が少ないので、繁殖率も高くなりすぐに増えてしまうのです。アライグマはオスのほうがメスより身体のサイズが大きく、春から秋にかけて体重が増加します。特に幼獣の成長速度は早く、生後半年ほどで身体サイズによって成獣を見分けるのは難しくなります。

• 家のまわりに5本指の足跡がある
• 家の柱や壁、戸袋や雨樋に5本指の泥のついた足跡がある
• 壁が壊されている(特に軒下の壁)
• 天井板がずれている
• 天井にシミができている
• 天井から雨漏りのように水滴が落ちてくる
• 天井裏から大きな足跡がする
• 「クルルル」という鳥のような高い鳴き声が聞こえる
• 天井裏にフンがたくさんある

こういったことが当てはまる場合、アライグマが近くに来ていたり、棲み着いている可能性があります。

アライグマによる被害

糞尿による生活環境被害

アライグマが家屋に棲み着いたときの一番ひどい被害は糞尿によるものです。アライグマは自分の巣の周囲や同じ場所で排泄する習性があります。そのため屋根裏を住みかとした場合は屋根裏に大量の糞尿が溜まります。これにより、

• 糞尿が下の部屋に染みてしたたり落ちてくる。
• 溜まった糞にカビが生え強烈な悪臭が発生する。
• 糞尿の重さで天井が落ちてくる

などといった深刻な被害が発生します。

ペットへの被害

アライグマは雑食性で何でも食べます。ペットで魚や亀や鳥を飼っている場合にアライグマに食べられる被害が発生することがあります。
また、アライグマの体にはダニやノミが大量に付いていますので、家にダニやノミを運び込まれますし、そのダニやノミがペットにも寄生する可能性が十分にあります。

アライグマが媒介する病気による健康被害

アライグマが媒介する厚生のある病気は、回虫、マダニ、狂犬病による感染症があります。

アライグマ回虫による脳神経障害

アライグマは、アライグマの小腸に寄生する「アライグマ回虫」を持っている可能性があります。回虫を持っていれば糞にも回虫の卵が含まれることがあります。回虫の卵が人間の体に入ると体内で幼虫となり、その幼虫が視神経や脳神経に入り込むと失明や脳障害などを起こします。
今までのところ国内での人間への感染事例はありません。しかし米国では1981年に患者が発生して以来、アライグマ回虫が原因の重症脳障害患者が少なくとも25例確認されています。そしてうち5名が死亡しています。

マダニによる感染症

アライグマについているマダニも危険です。マダニは致死率の高い感染症を引き起こすことがあります。例えば重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などです。発熱、下痢、皮下出血、意識障害等が起こります。しかも、それに有効なワクチンや治療法はまだありません。国内での死者も出ています。

狂犬病

狂犬病は人と動物共通のウイルス系神経疾患で、扇風機期間は短い場合で10日程度、長い場合は1年以上もあり、世界中で毎年5万人から6万人が死亡しています。これまで発病後の回復が確認されたのはわずかで、事実上致死率100%の病気です。
狂犬病は犬やアライグマなどの媒体動物に咬まれたとき、傷口からウイルスが入り込んで感染します。媒体動物の代表はまずは犬ですが、日本では犬には予防ワクチン接種が義務付けられています。法律で飼い主に飼い犬の登録と飼い犬へ1年に1度狂犬病予防注射を受けさせることが義務付けられています。しかし野生のアライグマには狂犬病予防注射のさせようがありません。
ほとんどの哺乳類は狂犬病にかかると短期間で死んでしまいます。しかしアライグマは狂犬病に感染してもすぐには死なず、他の哺乳類よりも長生きします。これはアライグマが狂犬病をいろいろなところに媒介することを意味しています。
このことからアメリカではアライグマを感染源とする狂犬病に非常に強い警戒態勢が取られています。